自慢の商品を自慢の社員が殺している!
売れない本当の原因を直視しなければ
解決に至らない事を忘れずに。
私が販売の現場で何度となく目にした光景をちょっとご紹介します。
商品メーカーの経営者は、よくこうして恐ろしい罠に陥いり可愛い我が商品を殺してしますのです。
是非、このような事にならないように注意して下さい。
メーカーの営業マンは小売店の商品担当者に「この商品は、どこそこのお店で、とても売れています!」そう言いながら自社の商品の小売店にあの手この手の応酬話法で売り込みをします。
営業マンと小売店の担当者は、その商品を目の前にして夢いっぱいに盛り上がります。
そして交渉が成立し、小売店に届けられた商品の詰まった段ボールの箱は、アルバイトによって開けられ、棚に綺麗に陳列されていきます。
一ヶ月後・・・。
全く売れないその商品に業を煮やした小売店の担当者からメーカーに連絡が行きます。
その連絡を受けたメーカーは「販売員を付けます」という返答。そしてその商品も命脈を保ちます。
さらに1か月後・・・。
販売員を付けたにもかかわらず、全く売れなかったその商品は、埃をかぶり陳列した棚からダンボールにもどされます。
お店に並べられた2ヶ月前の輝かしさを失って、、、返品です。
(そしてメーカーの営業マンは「売れる売れる」が口癖の狼少年になり小売店の信用を失っていきます)
すると・・・。
営業マンは「商品が悪い!値段が高い!販売員が悪い」と、本当の原因を直視しないままその場にいない人とか見えない要素の責任にして、会社には自分に都合の良い報告を入れます。
メーカーは、その一連の流れを把握していないため、商品の質や値段、販売員などが原因と捉え、いっこうに出口に出ることが出来なくなるのです。
これは、身を持って商品を売ったことがないメーカーさんの多くがが陥る罠なのです。
「商品を店頭に並べれば売れる」なんて甘〜い話はこの世には存在しません。
いくら良い商品でも、それなりに知恵をしぼらなければ、店頭で「お客様が手に取り、興味をもって、購入する」には至らないのです。
売れない商品メーカーの共通点は「自ら現場に立って売ろうとしない」ということです。
現場に立って、お客様と会話をしたり雰囲気を感じ取ったりする事で見えてくるものが山ほどあるのです。
人材派遣などで他人任せの、しかも時間で雇われた外注販売員には永遠に見えてくるものはないですし、ヒントの収集など絶対にしません。
そして、メーカーに届く報告は、「価格が高すぎる」「お客さんのお店に来る数が少ない」「競争相手の商品の魅力に勝てない」「お客様にお店の案内ばかり聞かれて、売る暇がない」といった、明日の糧にならない情報のオンパレード。「だから売れない」のです。
我が子のような自社の商品を是非愛情をもって現場で自ら販売する意識を持てば、商品は必ず売れていくのです。
入口と出口を間違わずしっかり抑えれば、御社の商品は人気商品になっていくのではないでしょうか?
河瀬和幸